d:matcha Kyoto magazine

和束町にて、お茶農家&カフェを営むd:matcha Kyotoのブログです

「日本海」で抹茶を収穫?d:matchaの自社茶園にて、抹茶収穫の様子をご紹介!

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日本海」での茶刈りときいて、驚くなかれ、ここが私たちの日本海です!

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こんにちは!d:matcha Kyoto magazineのTakeshiです。

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茶刈りの風景から失礼致します。右が私で、左は生産担当のAKAです。

 

d:matchaが管理する茶園の中で、通称日本海と呼んでいる茶園があります。その日本海の名前の由来はずばり「茶園が荒波の日本海のようにうねうねしているから」です。

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※画像はイメージです。

 

実際の茶園の様子は、冒頭の写真でもお見せした通り・・・

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このように、地形のうねりに逆らわず、そのまま地形に沿って茶畑が整備されているために、茶畑の全貌が見えません。非常に特徴深い茶畑です。

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ちなみに茶畑はなかなかに急傾斜です。

 

さて、この茶畑にて7月末に二番茶の収穫を行ってきました。その収穫の様子を茶畑からレポート致します!生産担当のChiseiとAKAの作業を手伝いつつも、険しい茶園で奮闘する彼らの様子が伝われば幸いです。 

※4-5月に収穫されるお茶の後に再度茶園を整備し、7月頃に二回目の収穫を行うお茶のことを「二番茶」と呼びます。

 

 

まずは、テックスを外す

 

 

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茶畑にかけられている黒い布(≒テックス)を外していきます。アルミ製の「テックスを巻き付ける棒」をつかってくるくると回収していきます。

 

黒い布をかける理由は、それだけでブログが数本かけるほどの説明もできますが、ここでは簡単に説明しますと・・・

お茶の持つ旨み成分は「テアニン」が代表的ですが、このテアニンは日光に当たると、「カテキン」という渋み成分に変化します。このテアニンとカテキンのバランスで、お茶の持つ甘味・旨みと渋み・苦味の味わいが決まります。

 

一般的にお抹茶の収穫の際には、お茶の新芽が出てきた頃にこの旨み成分「テアニン」を渋み成分「カテキン」に変化させないため、茶の木全体を黒いシートで覆い、日光が直接当たることを防ぎます。広い茶園に覆いを直接「かぶせ」ていくことは大変な労働ですが、この覆いかけをおよそ2週間続け、葉っぱにしっかりと旨み成分を蓄えたものを抹茶として加工します。

といったところ。要は、旨味成分を蓄えるために黒い布をかけて日光を遮ります。

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熱い中、中々の重労働です。ひとつの茶の木分を回収するのにも一苦労。

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ちなみにこの日は曇りでしたが、温度は27℃~29℃ほど!熱中症対策はマストです。

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丸められたテックスは回収していきます。

 

茶刈りのための下準備

更に茶刈りの準備を進めていきます。

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まず、刈ったお茶をいれる袋を、茶畑の筋(=茶の木が一列に並んでいるのを「筋」と呼びます)ごとにおいていきます。

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ちなみにAKAがずっこけました。気を付けて・・・

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気を取り直して、ひとつひとつの筋に茶袋を置いていきます。

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しかし茶畑が広いので、袋を置いていくだけでもえらい作業です。
(※えらい、は関西弁でしんどいの意)

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このように袋を置いておくことで、お茶を刈ったあとの作業がスムーズになるのです

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さて、大体セットが終わりました。

いよいよ茶刈り!

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さて、広い日本海を刈っていきます!

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この広い茶畑。ひとつの筋の谷側・山側を往復して刈っていきます。

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お茶を刈るときの視線は真剣そのもの。刃が刺さる深さひとつで、収穫量やお茶の品質が変わってきてしまうので、もっとも集中する瞬間のひとつです。

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ひとつの筋を端から端まで丁寧に刈っていきます。

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収穫する機械の中の様子。お茶の葉っぱが飛びでている分だけを、チェーンソーのような刃が刈っていき、機械にセットされた袋の中にたまっていきます。

f:id:watanabecook:20170719012505j:plain機械からは空気が出ているため、茶葉をいれる袋はパンパンになります。

 

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さて、刈り終わりです。袋に茶の葉っぱがたまっています。

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ひとりは茶の袋を丸めて、各お茶の筋においておいた袋に取り替えます。一方は、機械を取り廻して位置を変え、次の筋を刈る準備をしていきます。

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機械を担いで、グルリと180度向きをかえ、次の筋を刈っていきます。

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次の筋です。どんどん刈っていきます。

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しかし、普通に立っているだけで汗が噴き出るような蒸し暑い日でしたが、何度も何度も茶畑を往復するのは相当な体力勝負です。熱中症に気を付けて・・・

茶刈りの後は

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さて、あらかた収穫が終わったら軽トラックに茶葉を積み込みます。うちの軽トラックはデフロックつきで、どんなところでも走れる優秀な車です!

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こちらは碾茶工場。収穫した茶葉を運んで、碾茶(てんちゃ)へと加工する場所です。ちなみに計測は軽トラックごと行います。(軽トラックごと重さを計測し、そのあと茶葉を運び込んでその差分が搬入量となる)

今回は以上です!追って別のブログで、これらの茶葉が加工される様子をレポートしていきたいと思います!

 

茶農家であるd:matcha Kyoto、たくさんの茶畑が広がる和束町でしかみれない景色があります。我々が農作業を行っている風景を皆さまとシェアできれば幸いです。

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