生産担当がたくさん生葉をもってきてくれました。
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こんにちは!d:matcha Kyoto magazineのTakeshiです。
今回は「茶葉を手もみ」してみたレシピ・体験談と、「機械で製茶した場合とどれだけ差が出るのか比較してみた」記事です。
ちなみにこちらの記事で扱っている茶葉は、d:matcha Kyotoが手がける無農薬栽培のお茶「見習い煎茶」をつくった茶畑から手に入れています。
こちらの茶葉、おかげ様でたくさんの方にご好評いただいております(´・ω・)!
さて、初めての手もみ体験。機械との比較はどうなるでしょうか・・・?
生葉を観察する
こちらが今回手に入れた生葉。その日に収穫してから、数時間経過しているので、ほんの少しばかり、萎れてきています。
ちなみに、こちらの葉っぱを製茶工場で製茶すると・・・
これだけしっかりとした、針状の煎茶となります。日ごろは生葉を収穫した後に、製茶工場にて製茶された煎茶を販売していますが、こう比べてみると製茶ってすごく繊細な技術ですね~。(いつかしっかりと取材した記事をアップします!)
手もみでも煎茶が作れないか、やってみる。レシピ調べ
もともと煎茶が加工される工程は知っているものの、家庭でできるレベルの加工となると想像しづらかったため、いろいろ検索してみました。
■電子レンジだけでつくるレシピ
こちらや、
埼玉県の入間市にあるお茶の博物館のレシピを参考にしました。
ちなみに、
■フライパンを使ったレシピ
公益社団法人 静岡県茶業会議所 :: 自宅にお茶の樹があり、一度お茶の葉を手作りしたいと思っているので、作り方を教えて下さい。
があったり、
■ホットプレートを使ったレシピ
茶 自宅でお茶を作ろう|class kurasu〜クラス・暮らす〜ワイン・パン・アクセサリーなどゆとりとクラス感のある暮らしを提案
があったりしますので、どんな道具を使いたいかのイメージをもって情報を探すとよいでしょう。私は今回、電子レンジを使ったレシピを参考にしてつくっていきました。
加工開始!所要時間は30分前後
さて、加工の様子をご紹介します!
広げてみる
まずは新聞紙など、広い紙の上に広げます。紙の上でないと、色がうつってしまう可能性がありますので必ず何か敷いて茶葉を触っていきましょう。
茶葉から、少し大振りで固いお茶葉が含まれていたので取り除きます。
電子レンジで最初の加熱(500W 2-3分)
さて、電子レンジにて生葉を加熱します。大体500Wの電子レンジで2-3分ほど。この最初の工程が、いわゆる「蒸し」の工程に該当します。茶葉を熱することで茶が発酵することを防ぎます。
(注:茶葉が発酵すると、烏龍茶や紅茶のようなお茶になります。日本の煎茶は不発酵茶に分類されるために、必ず最初に蒸したり炒ったりすることで熱を加え、酵素の働きをとめます。詳しく知りたい方は、こちらの分類をご覧ください!)
日本茶と健康 お茶の種類から選ぶ / d:matcha Kyoto オンラインショップ
レンジで蒸された後の様子。この茶葉をもんでいきます。
揉み揉み揉み・・・
※手もみの方法については、とんでもない熟練した技術の習得が本来必要ですが、家庭で試す分には「バラすように茶葉をほぐしつつ」「丸めるように転がす」というのを繰り返していくのが簡単なコツです。
Youtubeなどで「手もみ 茶」と検索すると、様々な名人技を見ることもできます。
さて、数分かけて揉んだものがこちら。少し色が変わったような変化がありますね。
更にレンジで1分加熱、これを3-4回繰り返す
もう一度レンジで加熱した(2回目)もの。ここからは、揉んで→乾燥→揉んで→乾燥を根気よく繰り返していきます。大体4-5回ほど繰り返していきましょう。
揉んだもの。茎が目立つようになりました。
揉んでいくと手にくっついてべたべたしますが、乾燥が進むにつれてサラサラになります。
手早く揉んでいきます。レンジから出した直後は茶葉も熱いので、やけどに気を付けながら、手際よくいきましょう。
さて、レンジ3回目です。
一部は乾燥してきました。↑の写真の左上のもののように、大振りで固い葉っぱが残っていたら、適宜取り除きます。
新聞紙にこすりつけるように、茶葉をくるくると巻くことをイメージして・・・揉んでいきます。
電子レンジ4回目です。
日ごろ見かけるお茶のようになってきました。
機械のものとの差はありますが、針のようになっているものも少しだけ・・・(様々な方向から揉んでいくと針状にならず玉になってしまうので、煎茶としてはいまいちです・・・。)
手もみをすると、手は緑色になります。ものすごく成分が浸透していそう。
さて、電子レンジ5回目です。
茎の黄色が目立ちますが、加工度が上がってきました。
色は最初に鮮やかな緑から、一般的に見かける煎茶の色になりはじめています。
さて、電子レンジ5回目の後は・・・
少し荒さは目立ちますが、乾燥してぱりぱりしてきましたので、ここで手もみは終えることにしました。引き際を間違えて手もみを続けると、乾燥した茶葉が砕けて粉が多くでてしまうので注意が必要です。
最後の乾燥は丁寧に
水分が残っているようであれば、新聞紙に広げて更に乾燥させるもよし、電子レンジで数十秒ごとの加熱をしていくもよし、フライパンで極弱火で加熱するもよし・・・。方法はいろいろありますが、しっかりと水分を抜いて保存ができるようにしましょう。
私は、つきっきりで注意深く電子レンジの加熱を選びました。20秒単位でお茶をレンジにいれ、都度手に取り観察することで水分が残っていないかをチェックしました。
完成したものが・・・こちらです!
不格好ですが、自分で仕上げた煎茶なので非常にかわいらしい。
手もみ煎茶を呑んでみた
さて、そんな煎茶ですが早速淹れて飲んでみることにしました。
おお!しっかりと緑色が出ています!
さて、お味のほうは・・・。
・・・
うん、緑茶です。ここにきて「煎茶」ではなく「緑茶」と言い直したのは、煎茶の香りはすれど、煎茶というよりかは、中国で一般的に飲まれている「緑茶」のような味わいがしたからです。
揉む工程が弱かったのか、茶の旨味成分がそこまで引き出されていない様子・・・。
しかし、その分茶葉の形がしっかり残っている分、煎を重ねても(≒何度お湯を淹れても)お茶成分が抽出されやすいお茶となりました。
また、茶葉の実力自体があったためか、香りはしっかりと抽出され、ボディ感のあるふくよかさが感じられました。
最後に、お茶の見た目の比較をしてみます。
左が機械で製茶したもので、右が私が手もみ製茶したもの。
・・私の手もみが初めてだったことを考えても、機械の製茶技術はすごいですね!
お茶に触れ合うこと、また自らの加工がダイレクトに味に反映されるために、手もみで煎茶をつくることは非常に学びがあります。お茶についてもたっぷりと知識が吸収できる体験ですので、お茶好きの方はぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。
(生葉などについて、ご相談があればぜひお問合せください。収穫時期などあるものなので常には難しいですが、お茶農家としてお手伝いできることがあれば幸いです(。・ω・))
今回は以上です!
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d:matcha(ディーマッチャ)は生産スタッフが愛情をこめて作った、京都・和束町産のおいしい茶葉+お茶を美味しく淹れられる、ティーウェア・茶器を販売しています。