d:matcha Kyoto magazine

和束町にて、お茶農家&カフェを営むd:matcha Kyotoのブログです

【和束町の茶畑から】生産担当「チセイ」自己紹介~オランダ帰りの就農1年生~

はじめに

みなさん、初めまして♪

D-matcha株式会社の生産担当、京都府和束町在住、23歳 チセイです。

今現在のD-matchaの取り扱う茶葉は、我々生産担当のメンバーがお世話になっている茶農家さん達から直接仕入れさせて頂いています。

 

私は今現在、茶農家として独立を目指し、自分たちが作ったお茶で、D-matchaのお客様の笑顔が見れる日々を夢見て、茶農家さんのもとで研修中です。

 

今回の記事では、自己紹介を兼ねて、私がなぜお茶を作るに至ったのかという話をしたいと思います。 

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絶景の茶畑がある町、和束町

沖縄での大学生活、農業サークル・Farm Foundationとの出会い

小さい頃から、植物が好きだった私は、広い農地がある国立大学の農学部で農学が勉強したいと思いました。数ある農学部の中から、メチャクチャ楽しそうという理由で沖縄にある琉球大学農学部に進学。

もともと、東京出身だった私にとって沖縄生活は、人はいいし、のんびりしていて、海は綺麗、暖かい、飲み会ばっか(^^;)の新鮮な場所でした。

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 沖縄の海

 

そんなあるとき、同じ学科の先輩から誘いを受け、農業サークル「Farm Foundation」に入ることになりました。

琉球大学農学部に進学したものの、1年生は教養科目は勉強するものの、専門科目の授業がほとんどない。こんな状況に意気消沈していた私にとって、

『大学の授業では満足できない農業好きにとってのサークル、Farm Foundation』はとても理想的でした。・・・このサークルとの出会いが私の人生を変えるとはそのときは思いもしませんでした。

 

「そうだ、農業をしよう!」のきっかけとなった、仲間とのスイカ作り

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農業サークル、Farm Foundationでは「理論と実践」をテーマにあげており、

そのために

・勉強会  :週に1回自分の好きな農業のテーマ

・畑作業  :大学の敷地、道具を借りて農作業

・学外視察 :メンバーが学びたい人にアポをとり、視察を実践

の3つを軸に活動を行っていました。 

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①勉強会の様子 

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②畑での作業

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③視察;コーヒーの専門家によるテイスティング講座

 

その活動の中で、現D-matchaのメンバー、同じく生産担当のアカ君と出会い、一緒にスイカ作りを行って息が合ったことが、私が「そうだ、農業をしよう!」と思ったことのきっかけです。

 

 スイカ作りを始めたアカ君と私。彼と大学の授業の合間や放課後の時間を使い、毎日スイカ作りの作業を行いました。
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栽培したばかりのスイカ畑

 大学生だった私たちが大学の講義を受けながら、実践可能な農業を模索した結果、これまでホースで一時間ぐらい水やりをしていたのを改善し、蛇口をひねるだけで1日の水やりが可能になる「灌水チューブシステム」を2人で作り上げました。

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当時製作した灌水チューブシステムの図面 


 ・・・システムというのは大げさですが、農家ではない私たちにとって、試行錯誤しながらつくった自慢の装置。
 蛇口をひねると黒いチューブから水がチョロチョロでるシンプルな仕組みですが、結果的には、授業の始まる前に蛇口をひねり、授業が終わる頃に水を止めるだけで作業が終わるという、作業が非常に簡単になりました。 

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わかりづらいですが赤いところにチューブが通っています

 

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直売所にて販売したスイカ

 

灌水チューブシステムを作り上げた甲斐があってか、スイカ栽培は無事成功!出来上がったスイカは直売所にて販売し、見事好評!スイカ栽培が成功した私達は、農業の素晴らしさに目覚め、ともに約束しました。

「将来、一緒に農業をしよう。」

(農業をする前に)そうだ、オランダに行こう!のきっかけ

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画像引用元:http://www.tabikobo.com/area/netherlands/

 

農業サークル、FarmFoundationの勉強会である日、私が選んだテーマがオランダの農業でした。知らない人は多いかもしれませんが、オランダというヨーロッパにある九州と同じくらいの面積の小国は、実は農業輸出額がアメリカに次ぐ世界第二位なのです。

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画像引用元:http://www.jescorp.co.jp/wp/?p=2354

 

 また、オランダの施設栽培は秀逸で、コンピュータで気温、湿度、二酸化炭素濃度、、、などの50項目をコンピュータで管理ができ、労働者がジーンズにスニーカーという恰好で農業できるなど、技術では世界の最先端だといいます。 

「3K(危険・キツイ・汚い)と言われている日本の農業とは大違いで、農地も小さいオランダで世界第二位になれたんだ。オランダに、日本の農業が将来世界と闘っても生き残るためのヒントがあるのでは」と思い、オランダに行きたいと言う想いを日々持ち続けていました。

 

・・・そんなある日、大学の掲示板をみていると、

海外農業研修に行こう。You can do it! 

というポスターが目に入りました。


見てみると、アグトレという研修制度を利用すると、支援を受けながらオランダにいけると書いてあります。大学三年生だった私はすぐさま、説明会に参加し、試験を受け、無事合格。大学を1年間休学し、オランダに行って学ぶことを決めました。

その際利用した研修制度はこちら↓

海外農業研修(アグトレ)とは|国際農業者交流協会(JAEC)【公式】 

オランダでの農業研修での気づき・もやもや

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 私が研修したナスの会社のボスと私

オランダの農業はまるで農業とは思えませんでした。農場はコンピュータで自動制御され、誰がどのくらいの量のナスを収穫しているのかが一度に全て、簡単に把握できました。また、水や肥料等を全て再利用するのはもちろん、天然ガスを燃やして出来る熱を施設の加温に使うなど、エネルギーや資源を全く無駄にせずに効率的に使用していました。(・・・この話をすると長くなるのでこの辺にしておきます笑)

 

・・・こんな国と日本の農業は闘えるのだろうか。


また一方で、オランダの真似をするだけでは、日本独自の強い農業は作れない、ということも同時に考えるようになりました。資源に恵まれない日本には、天然ガスを輸入するコストが多分にかかってしまう。また、地震が多い日本では施設は頑丈に建てなければならないから、そこにもコストがかかる。うーん・・・。

 

兄からのメールで、お茶農家になることを決意

・・・そんなもんもんとした気持ちになっていたオランダにいる私に、ある日、兄(現D-matcha株式会社の社長)からメールが来ました。

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「一緒に農業の会社を作らないか。日本が誇れるお茶を作って世界に発信しよう!」

兄からの唐突なメールにびっくりしましたが、話をしてみると、私がやりたいと考えていた「日本ならではの農産物を作る」に、お茶は当てはまっている。

・・・「しかし、お茶か。。」今まで触れたこともない品目だったので、戸惑いはありました。若干の迷いはある中でしたが、日本帰国後、一緒に農業をやろうと誓ったアカ君と合流し、5日後には日本のお茶の産地を訪れ、お茶農家になるかどうかを具体的に考えていきました。

和束町にて、感動的に美味い煎茶に出会い、現在に至る

日本中のお茶産地の視察を繰り返した私たちでしたが、ある日、和束の煎茶を飲んで感動したことが、お茶農家になる決心の後押しとなりました。

お茶とはこんなにも美味しい飲み物だったのかと。

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 私達は、紹介してくれた和束町の役場の方へいき、和束町で農業をしたいと懇願しました。その後、色々な人の助けも頂き、今では和束町の農家さんのもとで、毎日作業・研修をしています。

これからへの決意

 現在は修行先で作業を手伝い、お茶つくりに携わっていますが、近い将来には自分が仕立てた茶畑で作ったお茶を、世界中のお客様に届けたい。

 

そして、お茶という品目で日本人が誇れるモノにしたい。

 

世界の人に「お茶と言えば日本だよね。日本と言えばお茶だよね。」って言われるような品目にしたい。

 

お届けするお客様それぞれに合わせたお茶、お客様の想像を超えるようなお茶を作れるようになりたい。

 

 そんな気持ちで、毎日の農作業を頑張って修行をしています。

f:id:chitana:20160907215729p:plain和束の茶畑

 

これからもどんどん茶畑から発信をしていきたいと思いますので、応援よろしくお願い致します!