d:matcha Kyoto magazine

和束町にて、お茶農家&カフェを営むd:matcha Kyotoのブログです

【お茶と健康】お茶のもつ健康作用の一覧・まとめ。抗酸化作用やコレステロール減少など詳しい解説も(海外論文へのリンクあり)

こんにちは!d:matcha Kyoto magazine のTakeshiです!

今回はお茶と健康について、記事をかきました。

お茶のもつ健康作用について、解説していければと思います!

今回はお茶の持つ26!の健康作用のうち、4つの健康作用(抗酸化作用、コレステロール減少効果、エネルギー消費亢進作用、ガン予防)について詳しく解説しています。

(昔とった杵柄で恐縮ですが、筆者は国立大学の農学部を卒業しており、今回本記事を執筆するにあたり、海外の論文そのものの原文にあたるなどし、情報の正確性に留意しながら記載いたしました。また、論文以外にも、出典を明記するように努めました。もし疑問点などございましたら、コメント等にて頂けると幸いです。)

お茶と健康

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お茶は、古くから日本文化と結びつき、長い歴史を経て様々なカタチで我々の生活の中で利用されるようになりました。かつては薬として飲まれていたお茶ですが、今でも日常生活に欠かせない、日本を代表する飲料となっています。

最近では多くの研究により、様々な健康機能が明らかにされています。
お茶の健康機能を正しく知って、日々の生活に積極的に取り入れていきましょう!

お茶の主な健康機能

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お茶の持つ健康機能を一覧にすると、下記のとおり非常に多種多様な機能が認められています。

  • 抗酸化作用
  • 抗菌(食中毒菌・病原菌)
  • 腸内細菌叢の改善
  • 動脈硬化
  • 血小板凝集抑制
  • 血管内皮機能保護作用
  • 血中コレステロール中性脂肪の上昇抑制
  • 高脂血症抑制
  • 血糖上昇抑制作用
  • 糖尿病の予防
  • 抗肥満作用
  • 肝臓機能保護作用
  • 抗突然変異
  • 抗ガン作用
  • 遺伝子保護作用
  • 免疫機能改善作用
  • エネルギー消費亢進作用
  • 消臭
  • 抗う蝕作用
  • 抗ウィルス(インフルエンザ)作用
  • 血圧上昇抑制作用
  • 高血圧・脳卒中予防
  • リラックス作用
  • 抗炎症・抗アレルギー作用
  • 脳・自律神経調節作用
  • 認知障害予防作用

一般社団法人農山漁村文化協会日本茶のすべてがわかる本」、農文協「茶大百科Ⅰ」より抜粋

 

・・・それにしても多くの効能が認められています。

お茶が世界中で古来から飲まれていた、その理由がわかるようです。 

ただし、これらは本からの引用となりますが、実際のところ、ヒトでその効能が確認された健康作用ではなく、統計的にわかっていることや、実験室でのデータから効果を認めているものもあります。


本記事では、上記作用のうち、ヒトでの実験をもとに確からしさが証明されている健康効果を中心に、4つの特に意識したい健康作用について、解説していきます。

①お茶の持つ、抗酸化作用

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まず「抗酸化作用」とは、どのようなことを意味するのでしょうか。
日本医科大学が発表した、下記のレポートの中に、その意味が解説されています。

http://www.nms.ac.jp/jmanms/pdf/009030164.pdf

 

かいつまんで説明すると、
・ヒトが生きていく上では酸素は欠かせないが、酸素が変化した活性酸素という物質を体内で生成してしまう

活性酸素は、体内の脂質やタンパク質を攻撃し、動脈硬化心筋梗塞などの疾病の原因となるといわれている

抗酸化物質は、この活性酸素と積極的に反応し、無害化する

 

つまり、抗酸化は活性酸素を無害化するために必要な過程であり、お茶にはこの抗酸化を助ける成分が含まれているのです。

 

 お茶にそのような働きがあることが発見されたのは、比較的最近のことで、1998年にボランティアで実験に参加した被験者のデータより、血液の中に含まれる血清の抗酸化活性が上昇(≒抗酸化作用の向上)が観察されたそうです。

 

 この実験では、エピガロカテキンガレートとよばれるお茶の成分を含んだ緑茶エキスを被験者に与えています。この「エピガロカテキンガレート」は、煎茶の中に多く含まれる成分で、熱湯で入れるとその効果が弱まるため、ぬる湯で抽出したり、氷水で抽出するとその成分が熱で破壊されずにたっぷりと摂取することができます。

 

この抗酸化作用は、緑茶が持つといわれているガン予防の効果や、循環器系疾患の予防効果に好影響を与えていると考えられています。
いわば、お茶の持つ健康効果のベースとなる力がこの抗酸化作用なのです。

 

※ちなみに、研究成果の原文はこちら(英語の論文が開きます)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1080/15216549800202132/pdf

”Green tea catechins were given to healthy volunteers under controlled diet for 4
consecutive weeks. Plasma concentrations of ascorbate, urate, c~-tocopherol, 13-carotene and blood levels of total glutathione were measured before, after the supplementation and the washout period. RBC membranes were assayed for their levels of c~-tocopherol and
phosphatidylcholine PUFA's. Catechin intake provides antioxidant protection in viva through a
cascade involving endogenous antioxidants, which interact differently according to their redox
potentials and polarity. As a final beneficial effect, liposoluble vitamin E and 13-carotene are
spared by catechins, resulting in an overall protection against oxidative modification of RBC
membrane PUFA's. ”

②お茶の血中コレステロール低下作用

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 コレステロールは、血中に含まれる物質のひとつで、コレステロール自体は細胞をつくるときに不可欠な物質であることから、悪さをする物質ではありません。ただし、大量の脂肪や炭水化物を摂取(いわゆるドカ食い・食べ過ぎ)することが続くと、血中のコレステロール量が過剰になってしまい、高脂血症を引きおこし、血管障害などに起因する生活習慣病を引き起こしてしまいます。

 

 そのコレステロールについてですが、緑茶を摂取することで、血中総コレステロールを減少させる、という効果が、日本において健康な中高年を対象とした疫学研究で示されています。

 同様に、カテキン類を150mg含有する緑茶飲料を1日2本あるいは3本、コレステロールが高めのボランティアの方に8週間飲んでもらったところ、血中総コレステロールが有意に下がった、という報告もされています。

「毎日こってりした食事が続いているな」「ついつい大盛りを頼んでしまいがち」など、コレステロールが気になる方は、家やオフィスで努めて煎茶を飲む習慣をつけるとよいでしょう。

※原文はこちら(英語の論文が開きます)

https://www.researchgate.net/publication/11466929_Green_Tea_Consumption_and_Serum_Lipids_and_Lipoproteins_in_a_Population_of_Healthy_Workers_in_Japan

”CONCLUSION: Consumption of green tea was associated with lower serum concentration of total cho-lesterol in Japanese healthy workers age 40–69 years; however, green tea consumption was unrelated to se-rum HDL-cholesterol and triglycerides.”

③茶のエネルギー消費亢進作用

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「亢進」とは耳慣れない言葉ですが「こうしん」と読みます。意味は「高い度合に(まで)進むこと」です。つまり、体内のエネルギー消費(≒代謝)を高めてくれる作用がお茶にはある、と報告されています。

 

 これは、お茶に含まれる「カフェイン」と「エピガロカテキンガレート」というカテキン類の一種である成分を同時に服用すると、交感神経を刺激してエネルギーの代謝を高める働きがあるほか、脂肪を分解する「リパーゼ」という酵素の働きを活性化する作用が知られています。

 

 これらの作用については、毎日の食事の際にボランティアの被験者に緑茶エキスを含んだ飲み物を飲んでもらい、エネルギー消費量を計測した実験を経て、発見されたそうです。毎日緑茶を飲むことで、エネルギーの消費量をあげることができたとして、実際にヒトでの調査で発見されているのです。

 

 毎日の生活の中で運動をするのは大変かもしれませんが、お茶を毎回の食事の際に飲むことであれば、無理なく続けられそうですね。

※原文はこちら(英語の論文が開きます)

http://ajcn.nutrition.org/content/70/6/1040.short

”Conclusions: Green tea has thermogenic properties and promotes fat oxidation beyond that explained by its caffeine content per se. The green tea extract may play a role in the control of body composition via sympathetic activation of thermogenesis, fat oxidation, or both.”

 ④飲んでるだけでガン予防に!?

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 お茶の持つ健康効果の中で、最近注目を集めたのは「ガン予防」にきくのではないかということ。NHKの番組「ためしてガッテン」でも、特集が組まれたことがあります。

お茶!がん死亡率激減!?超健康パワーの裏ワザ - NHK ガッテン!

少し長いですが、そちらのサイトから、お茶の持つガン予防効果に言及しているところを抜粋します。

”人口10万人以上の市や区の
がん死亡率ランキングを見てみると、
面白いことがわかりました。

がんの死亡率が低い町には、
同じ特徴を持つ町が多かったのです。

例えば、上位15位に含まれる、
静岡県の藤枝市磐田市浜松市、埼玉県所沢市
三重県の津市や鈴鹿市鹿児島県鹿屋市

じつは緑茶の生産地なんです。
男女それぞれ、上位の15市区のうち7つの市区が
お茶の産地でした。”

  飲むだけでガン予防などの効果が期待できるのであれば、日々の生活の中にますますお茶を取り入れたくなりますね。

緑茶のガン予防効果には、効果あり、なしとする研究が両方あり、まだはっきりとておらず、現在も研究が続けられています。しかし、がん死亡率が低い町にお茶の生産地が多いことは事実です。

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今回は以上です!

 

お茶の持つ健康効果について、しっかり理解していきつつも、日々取り入れる飲み物の選択肢のひとつに、積極的にお茶を選んでいきたいですね!

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