嵐山で絶対に外せない観光スポット 渡月橋の「鵜飼い」
みなさん、鵜飼いというものをご存じでしょうか。
聞いたことはあるというかたは多くても、実際に間近で見たことのあるかたは少ないのではないでしょうか。
鵜飼いというのは鵜匠と呼ばれる人たちが、鵜と呼ばれるの鳥に魚を捕らせるという伝統的な漁法です。
全国に鵜飼いを見られる観光スポットは、現在ではたった10箇所程度。それも存続の危機に瀕しているところも少なくないのだとか。
ここ京都嵐山では伝統的に鵜飼いが行われており、現在では毎年8月と9月に行われる毎年の恒例行事になっています。
雅で風流な世界。昼と夜のギャップがたまらない。
正直、私はそれまで鵜飼いを見に行ったことはありませんでした。
私の友人には京都好きが多いのですが、そういった京都通の友人をもてなすため、何か趣向を変えて珍しいイベントはないかと探していたところ、たまたま嵐山の鵜飼いを思い着いたのでした。
それは、予想を超える満足度で、またリピートしたくなるおもしろさでした。
鵜飼いは日本書紀に登場するくらい長い歴史を持つ漁法だとか。ここ嵐山では、少なくとも平安時代には行われていたと考えられています。
もちろん昔の漁師は生活の糧のために行っていたのですが、平安貴族達にとっては漁の様子は世にも珍しいもの。夏の夜の遊びとして、船で優雅に鵜飼い観覧していたのだそうです。
これは昼間の渡月橋と、大堰川(おおいがわ)。奥が鵜飼いの舞台となります。
昼間と夜の姿とのギャップがたまらないのです。
嵐山「鵜飼い」詳細レポート
「鵜飼い」屋形船に乗るには?
嵐山の鵜飼いは「嵐山通船」という会社が運営しています。
予約なしの乗合船、平安風の装飾をほどこした「宮廷鵜飼船」、10名以上で予約できる食事つきの鵜飼い見物船、の3種類の中から選ぶことができます。
予約なしの乗合船の場合は、渡月橋のふもとにある乗り場に直接向かいます。料金は1,800円とリーズナブルですが、先着順ですので、確実に乗れる保証は残念ながらありません。土日休日は少し早めに向かった方がよいかもしれません。
今回は、せっかく友人が来てくれるので、予約ができる「宮廷鵜飼船」2,100円を選びました。
こちらが今回乗船した「宮廷鵜飼船」。
いざ、予約。
予約は当日の朝9時から。前日の予約ができないのは、当日の天候の影響など受けるからでしょうか・・。夏休みの土日、それも先着25名程度ということで、電話レースを制するべく受話器の前に座って満を持して9時を迎えました。
9時と同時に電話を掛けるも、つながらない・・・埋まったらどうしよう、、と不安にかられながらも、根気づよく電話をかけ続けること15分。たぶん30回くらいはかけ直したでしょうか。やっと電話が繋がって、無事に予約できました!
(あとで船に乗ってみてわかったことですが、この日はそんなに混んでおらず、船には空きがあったようですので、こんなにがんばる必要なかった、、
電話をかけ続けるのが嫌だというかたは、9:30頃にかけるとちょうどよいのかもしれませんね。もちろん、確実に空いている保証はないので、ご注意下さい)
いざ、出発。夜の渡月橋・大堰川(おおいがわ)
夜19:30、渡月橋のふもと(有名な高級旅館「星のや京都」に向かう船着き場の横)から船に乗り込み、真っ暗な夜の大堰川へ。
ちなみに渡月橋を流れる川は、場所によって呼び名が変わります。保津川下りで有名な上流の「保津川」、その渓谷を抜けると「大堰川(おおいがわ)」、渡月橋より下流を「桂川」、やがてその流れは「淀川」に合流します。
夜の大堰川は、川べりの旅館や船着き場の明かりが川に反射して幻想的な風景を作っています。
だんだんと船着き場から離れていきます。
あっという間に出発地点から離れました。船の提灯や遠くに浮かび上がる船着き場の明かりが美しいです。
船で川に出てしばらくすると、松明の幻想的な光と共にいよいよ主役たちが登場します。鵜飼いの主役はもちろん「鵜」です。彼らはよくトレーニングされていて、鵜匠の指示に沿って魚を捕ります。
鵜飼いでたいまつを焚くのは鵜は「鳥目」で暗いところの視力が弱いから。たいまつの明かりを頼りに水に飛び込み、魚を吞み込んで浮上し、魚を掃き出します。
雨の日の後などは川の水が濁って見えなくなってしまうので、鵜も全然魚を捕れないのだとか。この日は、前日も良く晴れていましたし大漁で、鵜が一生懸命魚を捕る姿は珍しくておもしろく、お客さんたちは「がんばれー」とか捕れると「おぉー」とか、歓声を上げて楽しんでいます。
鵜匠の衣装ってかっこよいですね。鵜匠の巧みな綱裁きが見られます。
おしゃべりな船頭さんが、鵜飼いについて豆知識をたくさん授けてくださいます。楽しい船頭さんにあたったのもラッキーでした。
水の上に浮かぶローソン
この鵜飼いがとても気にいった理由の一つは、なんと、川の上までコンビニが飲み物やおつまみを販売しにくることです!
この日はローソンの嵯峨嵐山店が出向していました。もう我慢できるわけないです。ビール、いかのげそ焼きやおでんなどを購入し、友人と飲みました。
船に乗って遊覧船までやってくるコンビニの商魂たくましさ。顧客としてはありがたいです。
船の上でお酒といえば、私は東京では、月島で屋形船に乗ってもんじゃを食べるのが好きでしたが、渡月橋でコンビニおでんもおいしいものです。むしろ風情はこちらの方が優っているので、コンビニおでんでさえおいしく感じられます。
渡月橋で貴族(気分)になる
京都の夏は本当に暑い。昼間は干からびてしまいそうな暑さですが、夜の大堰川の上は涼しい風が吹いています。
月にぼんやりと照らし出される山と川、そのうえで真っ赤に燃え盛るたいまつの炎のもと、鵜匠たちが独特の掛け声や音を出しながら鵜を操る光景。手元にはお酒とおつまみ。
優雅なゆったりとした時間が流れます。こういうのが雅な遊びというのでしょう。酔っ払っているのもあって、もう気分は貴族です。
平安貴族も、暑い夏、夜に何か涼しくておもしろい遊びを求めて、鵜飼いにハマったのだと思います。気持ちがよくわかります。
1000年前と思いを共有する
京都の魅力のひとつは、大昔の人と同じ場所や風景を見ながら、同じ気持ちを共有できることですね。変わらないものの良さや楽しさを教えてくれます。
そして、現代は良い時代になりました。昔は天皇や貴族の遊びだったものが、一般庶民の私でも体験できるのですから。
嵐山の鵜飼い、私の一押しスポットです。今年は9/23(金)まで開催ですので、まだ間に合います。ぜひ京都に遊びに来られる方は参加しててみて下さい。
嵐山渡月橋「鵜飼い」
<場所>嵐山渡月橋のふもと
<期間>7/1~9/23(金)まで
<予約>
・宮廷鵜飼船・・当日朝9時~電話予約受付開始、先着25名程度
・貸切予約船・・10人以上で予約可能
・当日乗合船・・予約不可。乗り場に直接集合。
詳細は嵐山通船さんのHPをご参照ください。
http://arashiyama-yakatabune.com/%E5%B5%90%E5%B1%B1%E3%81%AE%E9%B5%9C%E9%A3%BC/
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