はじめに
こんにちは。お茶の主産地、京都府和束町に引っ越し、茶農家研修を始めて5カ月、
D-matcha生産担当のチセイです。
毎日、生産担当が農作業をしているからこその生産のリアルや発見をガンガン発信していきます。よろしくお願いします!(^^)!
日本遺産にも指定されている、和束町・原山の円形茶園
農業では避けて通れない作業「除草」
除草とは、茶畑に生えてる雑草を取り除く作業です。そのまんまですが。
農業といえば、一生懸命草をとっている様子を想像する方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、農業では必ずといっていいほど付きまとう作業が「除草」です。
除草が必要な理由
では、そもそもなぜ除草作業が必要なのでしょうか。
雑草は茶の樹と競合し、土にある養分や水分を奪うだけではなく、大きくなると茶の樹の葉を太陽の光から覆ってしまい、光合成を阻害して茶の樹の成長を妨げます。また、雑草そのものが害虫の住み家になってしまい、茶器に害虫がつく原因となることもあります。除草は、地味だけど大切な作業なのです。
除草が必要なことはわかったけど・・・
でも、この除草作業が本当に大変です。特に、夏の暑い時期は雑草にとって生育が盛んな時期です。除草した3週間後には元通りになってしまうこともあります。
※こんな涼しい顔して除草をやることはない・・(;´・ω・)
さて、私が作業をする茶畑はいくつかの場所に分散しています。
夏の暑い1日の除草作業
とある1日の、除草をした日の作業を振り返ってみます。
作業した場所① 京田辺
ここは京都府和束町から車で30分、同志社大学のキャンパスもある京田辺市にある畑です。ヤブキタとサエミドリが植えられています。
茶園の様子。みなさんにはこの写真をみただけでわかるでしょうか。茶の生育を脅かすツルが茂っていることが・・・。
・・・茶園をアップにしてみると、一目瞭然・・・
こんな風に、お茶の木の中にまで浸食し、茶の生育を阻害している様子がわかります。こいつの正体はカラスノウリ。どこにでも生える雑草ですが、こいつは退治するのがやっかいです。というのは、掘り起こしてみるとわかるのですが・・・
根っこが半端なく大きく育つ。自然薯かよと・・・。カラスノウリは芋のような形の根っこを地中に作るため、掘り返して処分しないと、永久的に増殖してしまうのです。しかも、こいつらには除草剤がなかなか効きません。結果的に手で掘るしかないのです。(トホホ。。。)
しかも、カラスノウリを放置してはいけない理由がもうひとつ。実はカラスノウリの芋はイノシシの好物なので、この芋を食べるために茶畑に来て、茶畑ごとひっくり返してしまうという被害が多発します。はっきりいって、一度イノシシに茶園をひっくり返されると、その被害は甚大です。
子どもはこんなにかわいいのに・・・
大きくなるとこうですからね。イノシシは、全国の農家の大敵です・・・!
ちなみに、一度荒らされた茶園でも、イノシシが食べ残した芋が少しでも残るとまた、そこからカラスノウリが増殖し、またイノシシがやってくるという負のスパイラルが起こります。もうそうなったら泣くしかない。泣くしかない日々を送らないためにも、カラスノウリをひたすら手で掘り返し、除去しました。
作業した場所②井手町 無農薬栽培茶園
所変わって、こちらは和束町より車で15分、京都府井手町にある15年間無農薬栽培を行っている茶畑です。ちなみに、井手町には太宰治が心中したと言われる東京都三鷹市にある玉川上水と共に六玉川に数えられる玉川などがあります。
こちらのブログに掲載されていましたが、春には桜が非常にきれいに咲き誇ります。
そしてなんと、私たちの畑がある場所は携帯の電波が圏外。。。!
そんなのどかな場所にも、茶畑はあります。
この茶畑では環境負荷軽減のため、無施肥・無農薬栽培を実施しています。
無農薬ということで、微生物の働きを最大限に生かした栽培方法に取り組むなど、様々な工夫を行っています。もちろん無農薬の畑のため、除草も全て手作業です。
畑の様子ですが、
写真の右側が雑草をとった様子、左側が雑草をとる前です。左側の写真を見ると、茶園を雑草が覆っている部分があるのがわかりますね。近寄ってみると・・・
これはシダの一種です。こんなに雑草が大きくなってしまうと、茶の樹の光合成を阻害してしまうので、見つけ次第プチプチと抜いていきます。
私がひたすら雑草を除去している様子。作業の見た目は非常に地味ですね・・・。
・・・ひたすら草を引っこ抜くのに精を出すこと、数時間・・・
キレイになった茶畑の様子がこちら!
お茶の樹に集う妖精が「うれしい!」と言っている声が聞こえるぐらい、すっきりとした見た目になりました。
<(うれしい!うれしい!)(脳内イメージ)
私自身も、茶畑がこんなにキレイになると元気になります笑
本日は以上です!除草マスターへの道は、まだまだこれから・・・!