d:matcha Kyoto magazine

和束町にて、お茶農家&カフェを営むd:matcha Kyotoのブログです

被覆栽培について

被覆栽培とは

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そもそも被覆とは寒冷紗(黒いネット)やよしずやわらなどで、新芽の育成中に一定期間、光を遮って栽培する方法をいいます。
京都のお茶はこの被覆栽培されたお茶が非常に多いのが特徴です。

被覆する理由

理由1:旨味の強いお茶を作るため

お茶の旨味成分の4割以上を占めるテアニンは茶の根で合成され、それが葉に溜まります。
日光にあたるとテアニンは渋み成分のカテキンに変化してしまいます。
そこで被覆をすることによって、その変化を抑制し、旨味が強く渋みが抑えられたお茶を作ることができます。

理由2:茶葉の緑を濃くするため

被覆により日陰を作ってあげることによって、茶の樹は少ない光で光合成することを強いられます。その際葉緑素を増やし、少ない光でも光合成効率を上げようとします。
その結果葉の緑が濃くなります。
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写真の左側が遮光ネットからはみ出たところ、右側が遮光ネットで被覆されていた茶葉。色が全然違うのがわかります。

被覆茶の種類

玉露

玉露は緑茶の王様とも呼ばれるほど旨味が強いお茶です。
20日以上、棚による被覆によって栽培された茶を収穫・蒸し・揉みながら乾かしたものです。
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【d:ynamic】 Gyokuro / 京都宇治玉露

抹茶

20日以上被覆栽培された茶を収穫・蒸し・焙りながら乾かしたものを、粉にしたものです。
栽培方法は玉露と似ているが加工方法が異なります。
【Matcha】抹茶

かぶせ茶

14日以上被覆栽培された茶を収穫・蒸し・揉みながら乾かしたものを指します。
玉露と煎茶の中間のような味がします。
【d:eep】 Kabuse-cha / 京都宇治かぶせ茶

煎茶

0日(露地煎茶・純煎茶)~13日被覆までの茶を収穫・蒸し・揉みながら乾かしたものを指します。
【品種別飲み比べシリーズ】シングルオリジン煎茶「やぶきた」「おくみどり」「ごこう」「山の息吹」
煎茶の定義が広いため、煎茶といっても幅が広く飲み比べると非常に面白いです。
下のリンクは被覆期間別飲み比べシリーズです。同じ品種でも全然味わいが変わります。
dmatcha.jp



いかがだったでしょうか。
お茶を飲んでこれは何日ぐらい被ってるななんて会話が出るようになったら、面白いですよね。お茶が日本におけるワインのようなポジションになったらと思います。